デザインそのものは食べられない。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

僕の仕事はデザインをすること。

ウェブサービスの企画をしたり、画面をデザインしたり。
他には、業務システムのオペレーション手順を再構築したり、システム全体をデザインしたり。

僕はデザインで何かの役に立ちたいと思ってます。そして、そうなるように頑張ってもいる。
けれど、もし世の中がゼロの状態になってしまったら、デザインなんて役に立たないとも思ってる。

例えば、目の前におなかを空かせた人がいる。
その時どこにも食べ物が存在しなければ、デザインだけでおなかを満たすことは出来ない。
デザインでゼロから食べ物を生み出すことは出来ないし、もちろんデザインそのものを食べることも出来ない。

デザインというのは何かの種にはなりえず、サポートをすることしか出来ない。

どんなにきれいな服をデザインしても、生地が無ければ服を作ることは出来ない。
どんなに素敵な家を設計しても、建材がなければ家を組むことは出来ない。

デザインの他に、種となるエネルギーみたいなものが残っている必要があるのです。
そしてそれは、どこからか与えられるもの。

本当に本当に、最後の最後になって、すべてがゼロになってしまったら、きっとデザインなんて役に立たない。

デザインに出来ること。
それは、運良く与えられたものを最大限活かせるようにすることかなと。

例えば、どこかにある食べ物を適切に分配したり、廃棄量を減らしたり、生産効率を上げたり。
ゼロからイチを生み出すことは出来なくても、限りなくゼロに近い状況からイチに近づけることは出来る。
一粒でも種があれば、デザインの力でそこから森を生み出すことは出来る。

いまの世の中、混沌としていてなかなか生きづらかったりします。
それでも、デザインが活躍する余地が残っている世界であることに感謝するのでした。

これからもデザインが役に立てる世の中でありますように。

ウチヤマ ケンイチ
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