直接、評価がくだされる位置に立つこと。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

自らビジュアルデザインをしていて思うこと。
それは、最終的に人の目に触れるものをつくるというのは、その前段階の設計図を描くこととは少し質が違うということ。

とても責任が重い。そういう言い方は誤解を生んでしまうかもしれないけれど、なんだかそんな表現がしっくり来る。
それは役割分担として責任を取ることになると言う話じゃなくて、ものづくりとしての最後の砦であるかどうかの違いが大きい。

設計図を描いた人が「責任は自分がとる」と言えば、そうなのかもしれない。
けれどそれは組織上の責任であって、間接的な責任。デザインを目にするユーザーの評価は変えられない。

最前線に立ってバトンをお客様に直接渡すこと。
それはデザイナーだけじゃなくて、店頭に立つ定員さんもそうだし、コールセンターで電話を受ける人もそう。
それまでのバトンの繋ぎ方が悪かったとしても、最前列に立っている人はそれをなんとかしなければならない。

デザイナーさんがデザインをする姿は、近くでずっと見てきました。
だからデザインをする人が最後の砦であることはもちろん理解してたつもり。
でも、舞台に立って客席を見れば見える風景がガラリと変わるように、最前列でお客様と対峙して初めて見えるものもある。

間接的な責任ではなくて、直接、評価がくだされる位置に立つこと。
それはとても大事なことだと、あらためてそう思うのです。

ウチヤマ ケンイチ