ありきたりを、ちゃんとつくる。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

今日はゴールデンウィーク明けの初日にも関わらず会う人みなさん元気に仕事されてました。
みなさんすごいですねぇ。

僕もなんとかエンジンをかけて、今日は講師業をやってきました。
今までも何度かここに書いてますが、僕は毎年新入社員さん向けに講師をしています。
講義の内容は各々がひとりでウェブサービスの企画、デザイン、開発までを行なってサイトをオープンさせるというものです。
大企業の場合、研修期間を終えて実務にあたるとなかなか企画から開発まで携わることは出来ません。
だからこうやってはじめに全体像を頭に入れるにはとても良い経験だと思います。

今日は新入社員のみなさんの企画案を聞かせてもらいました。
毎年やっていて思うことなんですが、考えた企画を聞いていると同じ年に必ず他にも同じような企画を考える子がいるんです。
そしてその企画はその時流行っているウェブサービスにどこか似ていたりします。

流行りのサービスを真似したといってしまえばそれまでなんですが、別の人間が考えているのにこうも同じ企画が出てくるものかと。
同じ部屋の中で作業をしているので話しているうちに伝播するのはあると思いますが、それにしても似ている。

そういえば、最近どこかのネット記事で本当にオリジナルなものはそうそう無いといったような話を目にしました。
実際、僕もサービスやウェブサイトをデザインしていますが、そのなかに新しい要素というのはほとんどありません。

基本的にはそのウェブサイトやビジネスをよーく観察して「必要なことを正しく」つくっています。
そしてその「必要なことを正しく」つくることは、ほとんどの場合は馴染みのある、いわゆるどこかで見たことのあるものであることが多いのです。
ただパクリと大きな違いがあって、それは「必要なことを正しく」つくってみたら、結果として「目新しくなかった」ということです。
そしてその出来上がったものは、一見ありきたりなものなんだけれど中身はとても強かったりします。

やはりその時々に流行りと言うものはあるし、別に流行りに乗ることを悪いことだとは思いません。
むしろ、オリジナリティを追求し過ぎて誰にも指示されないものをつくる方がナンセンスだと思います。

僕のウェブサイトは基本的にビジネス用で、作品でも自己表現でもありません。
ビジネスでウェブサイトを作るということは、市場のニーズだったり流行はむしろ意識した方がいいと思います。

ただ、ひとつだけとても大切なのは、その流行りを取り入れることが「必要」で「正しい」かを判断する目は持たないといけないと思います。
流行りを無意識のうちに取り入れて満足し、そして意識もせずそれを「正しいもの」と崇めてしまうのはすごく危ない。

特に良いユーザビリティは、「いろいろ考えたが結果、ありきたりのなんでもないものになってしまった」ってことはいいことだと思っています。
自身を持ってありきたりのものをつくるというのは、とても強いことが多いです。

以前、使うデザインに著作権をもつのは難しいなんてことを書いたけれど、僕はそう思っています。

さて、今週は月曜日がやすみだったので4日間だけですね。
休み明けはおみやげがもらえてありがたい。おみやげ食って一気に駆け抜けましょう。

ウチヤマケンイチ
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