デザイナーの役割。
ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。
高校の時。美術の時間。
これから絵画の授業というときに、真っ白な画用紙を見た友人が言ったんです。
“何も描かれてない真っ白な画用紙が一番綺麗だなぁ”って。
そのときの彼はちょっと冗談まじり。
きっと絵を描くのが面倒だったから、だからそう言ったように聞こえました。
でも、その言葉に妙に納得したのを覚えてます。
デザインやものづくりをしていると、ついたくさん手を入れようとしてしまいまいがち。
自然の原理原則と戦って、デザインをコントロールしようとしてしまう。
僕たち人間も自然と同じ原理原則の中で生きてます。
だからそれに従うのが正しいかもしれない。
だけれど、つい自分の作家性をだそうとしたり、奇をてらったりしてしまう。
黄金比とか、フィボナッチ数列とか、フラクタルとか。
そんな数学的原理が生み出す形が僕は好きです。
そんな風に美しい原理原則の前では、人が少しでも手を入れてしまうとバランスは崩れてしまう気もします。
でも一方で、人の手は一切加えずに自然の法則に従うだけなら、デザインすることを放棄したただの図形遊びになってしまう気もする。
料理というのは、手間暇をかけるほどに素材の味が引き出されるそうです。
決して、生のまま素材にかぶりつくことが素材の魅力が一番引き出される方法じゃない。
デザインの役割がなんなのか、日々考えています。むつかしいです。
とはいえ、やっぱり人が手を動かしてデザインすることは数学的原理が生み出すデザインと同じぐらい素晴らしい。
そう信じたいのであります。
ウチヤマケンイチ
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