見た目にだまされない。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

今度、講演することになりましてこれから資料をつくろうと思ってます。
講演の際は用意した資料をプロジェクターで投影しながら行うことが多いのです。
いつもはその資料をPowerPointというアプリケーションを使ってつくっていますが、今回はKeynoteを使ってみようと思います。
一度、Keynoteを使ったみたかったんですよね。

PowerPointにしてもKeynoteにしても、誰でもかんたんに素敵な資料をつくることができます。
デザインやテンプレート、画面を切り替えるときの効果などもたくさん用意されています。
そしてどのアプリケーションを使うかを選べるくらい、いろんなアプリケーションが出ています。

資料づくり他にも、最近はパソコンとアプリケーションさえあれば色んな物が簡単につくれます。
iMovieで動画を編集したり、CMSを使ってウェブサイトをつくったり。

昔だったらプロでなければつくれなかったようなものが、ツールの進歩のおかげでつくれる。
スマートフォンで撮った写真をきれいに加工してくれるようなアプリも流行りましたよね。

これはとても良いことで、楽しいこと。
電子レンジが発明されて、ひとり暮らしでも家で色々なものが簡単に食べられるようになった。
それみたいなもんだと思っています。

そういえば、僕が大学に入学して建築を学び始めた頃の話。
学生はそんなデジタルツールを初めて手にして、デザインをするのに使いはじめるわけです。
便利なツールを手にすると、おもしろいことがおきます。
図面をひくにしても、CGをつくるにしても、なんだかそれなりにかっこ良く出来上がってしまうのです。
ツールがデザインに下駄をはかせてくれるおかげで、実は下手くそなのに“それっぽく”仕上がってしまう。

そして、それによって“自分は良いデザインができてる”と勘違いしてしまうんです。

一生懸命に図面をひいたり、模型をつくる過程で、デザインのスキルはあがてっていく。
だけれどツールのせいでそれに気付けないことがある。
そうなると具合が悪くて、中身のないハリボテのデザイナーになってしまいます。

ツールが助けてくれるところはもちろん助けてもらうほうが良い。
それに加えて自分が頑張らなくてはならない部分は、アナログの時代もデジタルの時代もきちんと残ってる。
デザインに時間をかけなくてよい分、中身をアナログの時代よりしっかりしないとですね。

さ、資料つくろ。

ウチヤマケンイチ
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