制約の中で自由に動き回る。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

好きな音楽のジャンルにラップミュージックがあります。
もちろん音楽として好きなのですが、それとは別に創作物としてすごく刺激を受けるんです。

基本的なラップのスタイルというのは、一定のリズムに乗せながら、かつ発する言葉の母音を合わせ韻を踏みます。
この韻を踏むという行為は、言葉選びに強い制約を与える。
自分が使いたい言葉をただ並べるだけじゃ、母音はけっして合わないからです。

また同時にラップミュージックというのは、メッセージ性が求められる。
だから、この強い制約の中で自分の言いたいことを言うためには、言いたいことを様々に表現できることが必要不可欠です。
例えば、比喩を使ったり、倒置法を使ったり、他の言語を使ったり。

うまいラッパーはそんな言葉の制約があることを感じさせずに、実にのびのびと言いたいことを言うんですよね。
たまに何度も聴いて音とリズムが身体に染み込んだ曲の歌詞を見たりするんです。
すると、もう鳥肌がたつんですよ。よくぞここまで自由に動き回れるなって。言葉選びのセンスというか、それに感動するんですよね。

制約の中で創作することはデザインにとても似ています。
良いデザイナーはペンを自分の分身のように操って、どんな制約の中でも変幻自在に対応するのです。

制約が全くない状態なんてこの世には存在しません。
だからこそ、厳しい制約の中でも平然とデザインされたものはとても美しいのです。

巧みな言葉選びと、それを発信するマイクさばき。
世間ではラップミュージックは不良の音楽と思われがちですが、ものすごくクリエイティビティに溢れてるんですよ。

尊敬するラッパーたちに触発されながら、今日も一日良い仕事ができるようにがんばろっと。

ウチヤマケンイチ
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