人との対局は、違う。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

今日、久しぶりに人と将棋を打ちました。
どれくらいぶりだろう。もう覚えてないくらい。

人と打つ将棋って、同じ将棋だというのにコンピュータと打ってる時と全然違う。
相手の強さとか、打ち方とかじゃなくて。対局中の自分の気持ちが違うのです。

違うこと。

自分が次の一手を考えている間、相手を待たせていることだったり。
手を打つ時、どんな気持ちなのか、つい表情や言葉に出てしまうところだったり。
コンピュータはすぐに打ってくるけれど、人と打つ時は相手の番も考える時間があることだったり。

要は単純な盤面の動かし方の他に、心理戦というか、駆け引きが生まれるのです。
こうやってコンピュータとやっていたことを、人とやってみると「あ、これが心理戦なのか」って気付く。

今まで心理戦って実感したことがあまりありませんでした。
マラソン中継を見ていても、「相手とか関係なく、タイムが早ければ勝てるんじゃないの」とか。
野球中継を見ていても、「次に何が来るかとか読まなくても、ただボールだけを見ていれば打てるんじゃないの」とか。

この間も好きなプロレスラーが1年の休養を終えて復帰しました。
スポーツ選手って実践を離れていると、うまく試合ができなくなると言います。
試合には出ていないにしてもトレーニングしているんだから、なんでうまく試合が出来ないのかな、なんて思ってました。
きっとこれも観客がいて、相手も本気の実践では心理状態がぜんぜん違うんでしょうね。

どっちがおもしろいかで言うと、やっぱり人と打つほうがおもしろいです。
そして、コンピュータで打っているだけでは、きっとこの心理戦の部分は鍛えられないと思う。
だから本当に強くなりたいなら机上だけではなく、実践をたくさん経験することが大切なんでしょう。

そうそう、もう一つ気付いたことがあります。
それは、将棋の打ち方ってものすごくその人の性格が出るということ。

僕はぽんぽんとテンポよく打つのが好きで、相手が考えている間は頭を休めています。
今日の相手はしっかりと熟考していて、僕が考えている間もずっと盤面を眺めていました。

なんだか、その性格は自分が仕事をしている時に、そっくり。
別に手を抜いているわけじゃないですよ。
力の入れ具合というか、頭の中のリズムが随分と似ていたのでした。

将棋っておもしろいなぁ。
相手の性格を知りたいなら、ひとまず将棋と打ってみてもいいかもね。

ウチヤマケンイチ
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