肩書きは、目安。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

最近、コピーライティングの本を何冊か読んでいます。

僕が就職活動をしていた2005年当時、広告代理店は花形の業界でした。
平均年収も高く、就活生の憧れる企業ランキングでも電通や博報堂は常に上位だった。
僕も広告業界に進みたいと思ってました。

今だとスタートアップで世界に通用するスマホアプリやサービスを生み出す、といった感じでしょうか。
要は、周りで目立っているイケてるやつが進むような、そんな業界でした。
ちなみに、いまだに広告とかコピーライターという言葉を聞くと、子どものようにワクワクします。

こないだコピーライターの小霜和也さんが書かれた「ここらで広告コピーの本当の話をします。」というの本を読んだ時のこと。
その中に気になることが書かれていました。

「目に見える言葉を書くのだけがコピーライターの仕事ではありません。」

ふむふむ。
どうやらキャッチコピーというのは言葉として書くのではなくて、CMの演技の中に含めてもいいということらしいのです。
これはほんとそうだよなー、と思いました。

確かに「コピーライター」なんだから、コピーを書いていれば良いような気もします。
でも、本当に良い仕事をするためには、そんなこと言ってられないんですよね。

僕の肩書きはユーザーエクスペリエンスデザイナーです。
略してUXデザイナー。どうにも難しい名称ですが、そこそこ人気のある職種みたいです。

世間では「使いやすいウェブサイトやアプリ、そしてプロダクトをつくる人」と定義がされているみたい。
そして、つまりは「UI(ユーザーインターフェース)やデザインだけ」を担当していると思われていることが多いのです。
それどころか、UXデザイナー自身が、「自分はUI担当だから」と画面のデザイン以外には感心がないことも多い。
肩書きが仕事の幅を狭めてしまっているというか、なんというか。

僕はUXデザイナーは決してUI担当ではないと思ってます。UIは担当する中の、ほんのほんの一部。
小霜さんの言葉を借りるなら、「目に見えるものをデザインするだけがUXデザイナー仕事ではありません。」となります。

小霜さんはコピーライターやクリエイティブディレクターという仕事を「商品をいじらずに、言葉を使って商品の価値を上げる人」と定義されていました。
であれば僕の考えるUXデザイナーの仕事は「商品もいじりつつ、デザインを使って商品の価値を上げる人」といったところでしょうか。

いや、そもそも「デザインを使って」と定義するのもほんとはちょっと違うなと。
僕は相手の強みを活かして課題を解決できるならば、その方法は何でもいいと思っています。

結局、どんな仕事であっても「相手や状況をきちんと見て自分にできることをする」ということだと思ってます。
その表現方法や、関わるタイミングがちょっと違うだけなんじゃないかと。
そして、僕はちょうどデザイン周りが得意なので、それで解決をしているだけだと。

肩書きは自分のことを紹介したり、相手を理解するには便利です。
けれど、そうやって役割を分類してしまうから、やれる範囲に壁がつくられてしまう。

結局、自分がやりたいことって、たいていの職種や職場でできると思ってます。

あとは、自分や周りが「それはお前のやることではない」と決めつけないこと。
与えられた肩書きよりも肩書きばかりの環境じゃないということの方が、よっぽど大切です。

ウチヤマケンイチ
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