苦手なままに、進んでみる。
ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。
「手の中で仕事をしない。」
先日のNHKプロフェッショナルで、コンシェルジュの阿部佳さんが言っていた言葉です。
できないことや苦手なことでも、挑戦をしないと仕事の幅は広がらない。そういう意味だと思います。
これを聞いて、ハッとしました。
できないことや苦手なことって、なかなか手が出づらいもの。
失敗する可能性が高い道を避けるというのは、動物としてはなんだか当たり前のような気もします。
ただ、野生の動物とヒトが違うのは、ヒトは失敗をあとから取り返すことができるということ。
失敗と同時に天敵に食べられてしまうような、そんなことはなかなかないわけです。
だからこそ動物としての本能に反して、できないことや苦手なことでもどんどんと押し広げていく。
そんなことが継続して成長していくためには大切なんだと思います。
僕はマルチタスクが苦手です。
同時にいろいろなことをやるなんて、気持ちが定まらなくてなかなかできません。
そして、チームプレイも苦手です。
なんでも自分一人で、じっくりと進めたいのです。
ただよくよく考えてみると、いま僕がマルチタスクやチームプレイができてないかというとそうでもない。
いつのまにか、昔できなかったことも少しはできるようになっていました。
では、苦手だったことが得意になったのか。
というと、実はそうでもないんです。
苦手なものは、いまも苦手なままで、自分の得意不得意は変わっていない。
だけれど、それでも進められるようにはなったんです。
チームプレイが苦手な理由の一つ。
それは人から急かされることが苦手なことにありました。
自分のペースでやらせて欲しいな、って。
いまも急かされるのは苦手です。
けれど、最初から「急かされないように仕事を進める」ということを、覚えたんです。
先回りして計画を立てたり、自らがスケジュールを管理する役割になってみたり。
マルチタスクもそう。
同時に何かをするのは今も苦手です。
その代わりに時間を区切って、その時間の中ではひとつのことに集中するようにしたんです。
スイッチを切り替える回数をできるだけ減らしたんです。
弱点を直接克服することはむずかしくても、こうやってその周りから足場をかためてみる。
そうすることで、今はできないことも意外となんとかなるものなんですよね。
そうしているうちにだんだんと気持ちも変化してきて、苦手なこと自体への抵抗もすこしは減ってくると思うのです。
周りを固めれば、意外と苦手なままでも前に進むことができる。
ちょっと忘れてました。
「手の中で仕事をしない。」
なんだか、年次が上がるにつれてどんどん僕は手の中でばかり仕事をしていたような。
さっそく今日から手の外で仕事をしてみよう。
苦手ままに突破する知恵は、歳を重ねてすこしはついた気はするし。
ウチヤマケンイチ
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