イチかゼロか。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

10人に1人が欲しいなら発売する。

文具会社のキングジムの話です。
先日、この考え方を聞いたときハッとしたんです。

これ考えれば分かる話なのに、日頃忘れがちなことだなと。

キングジムで商品化をするかどうかの決め方。
それは10人の役員のうち1人でも賛成するなら商品化するというものでした。
もし社長が反対しても、商品化。

これ、すごく良い進め方だなって。

デザインとかサービスの良し悪しを判断するとき。
基本的には、多くの人が受け入れてくれる方が心強いものです。
市場の調査とかユーザーのアンケートを元に「これだけ支持されているんですよ」と。

僕自身もそういう判断をしてしまうことが、よくあります。
でもそういうとき、同時に考えてることがある。
それは、「良いとは思う、けれど僕は必要ないな」って。
そんな判断をしているときは、きっと「他の誰かが必要としてるだろう」と想像してる。

例えば、目の前にモニターが10人がいるとする。
その商品を評価してもらって、満点なら買うという話のとき。
10人が「いいと思います。(まぁ、自分は買わないけど)」と8点を付ける。
そうすれば数値の上では80点と高得点になります。

逆にみんな揃ってまったく評価せずに0点を出したとする
でも1人だけが満点を出して買ってくれるとき。

前の評価は合計スコアは80点。だけれど一つも売れない。
後の評価はたった10点だけれど、ちゃんと売れている。

世の中のビジネスのほとんどは、買うか買わないか。
選ばれるかどうかって、イチかゼロの世界です。でもそれを忘れてしまいがち。
選ばれなければゼロと一緒。これは数式だけではわからないなと。

頭の中だけで判断すると、当たり前のように80点の合格ラインを目指してしまうんですよね。
でも本当に大切なのは、誰かが満点を出してちゃんと買ってくれるという壁を超えられるかどうかなんだよな。

何となく良いとは思うけれどでも誰も買わない商品。
そしてみんなから見向きもされないけれど、1人でも買ってくれる商品。
なんだか、どっちが優れているかは明らかな気がします。

全員が「なんとなく良い」と思うだけじゃだめ。
たった1人でもいいから「絶対に必要」だと思ってもらわないと。

自分がデザインやサービスを良いと判断するとき。
そのときは、その人の顔や名前が浮かんでいるくらいに、解像度が高くないとね。

ちなみにこの話って、結婚できる人とできない人の違いにも似てる気がするな。

ウチヤマケンイチ
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