漢字のデザイン。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

小学生の頃、僕は漢字のテストが好きだったんです。

テストと言っても、みんなでやるゲームみたいなやつ。
制限時間内に、「にんべんの漢字を書けるだけ書く」とか、「読み方が”し”の漢字を書けるだけ書く」とか。
小さな学習塾で、みんなで競って漢字を書いてました。それがすごく楽しかったんです。

昨日、テレビに流れるテロップを見てふと思ったんです。
漢字って、すごく完成度の高いデザインだなって。

ほとんどの漢字に使われてるパーツは、他の漢字にも使われてる。
漢字って単体のデザインが優れていることもさることながら、高度にモジュール化されてるところがすごいんですよね。

例えば、僕の下の名前は漢字で「賢ー」と書きます。
この「賢」という字は「臣」と「又」と「貝」というパーツの組み合わせで出来上がってる。

それぞれが単独でも存在する漢字だし、また別の漢字ではパーツとして使われてる。
例えば「臣」であれば、「臨」とか「姫」なんて漢字にも使われてる。

そんな場所や大きさを変えて組み合わせているのに、どの漢字もきちんと収まりが良いのがすごいなって。

ウェブサイトのデザインなんかも、モジュール化されています。
ボタンに、枠線に、見出し、そして背景色とか。
それらを組み合わせながら、繰り返し使って、様々なページを表現するんです。

モジュール化されたデザインは、使いやすさを向上させられるし、制作の効率も良いのです。
パーツを増やせばより色んなこと表現できるけれど、今度はバランスをとるのって難しくなる。
それを知っていると、漢字が持っているこのバランスのすごさが分かる。

小学校の授業だけでも教わる漢字は、およそ1,000字もあるそうです。
それらの漢字は日常的に使われてるものばかり。でもどの漢字も美しいですよね。

小学生の頃にやってたような、漢字を使ったゲーム。
デザインを仕事にしている今、もう一度やってみようかななんて。

あの頃とは違った視点で、なんだかデザインのヒントなんかも見つかりそうだなんて。
そんな気がしたのでした。

ウチヤマ ケンイチ
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