文字と印象。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

日本の昔のポスターや看板。
見ると、文字が右から左に書かれてる。

ライオンなら「ンオイラ」だし、キャラメルなら「ルメラヤキ」といった具合に。

これがなんとも読みづらい。
頭では分かっているつもりでも、文字はもう左から右に読むものだと脳が思い込んでる。
だから、一文字ずつ「ラ・イ・オ・ン」と分解してようやく読める。

元々、日本語って縦書きの言葉。
そして日本人というのは、時間の流れを右から左へと感じていたそうです。

たしかに小説や新書なんかは縦書きだし、そしてそのとき行は右から左に書かれています。
漫画だって、そうだ。

ずっとずっと昔の文字にも、横書きはある。
でも実はそれは、正しくは横書きではなくて、1行に1文字という変則的な縦書きなんだって。
たしかに、文章は右から左に流れるから、1行1文字なら右から書くことになる。

一方で、英語を始め世界の多くの言語は、左から右に書く横書きが主流。
日本語も戦後にその影響を受けて、左から書くようになったそうです。

実はアラビア語って、右から左に書く横書きの言語なんですよね。
でも、僕はアラビア語が分からないので、それを見ても違和感は感じません。

前にも書いたことがあるけれど、文字や文章に感じる違和感。
それって、本能的なものというよりも、自分の経験や知識、そして所属する文化が元になってるんですよね。

デザインや書かれている内容もさることながら、右から書かれた日本語を見るとそれだけで「古さ」を感じてしまう。
文字って、元々はあくまでも手段で、その中に書かれていることが本来の役割なんですけどね。

なんだか各国の文字を見ると、僕なんかはそれだけでどこか品質とか政治的な背景まで感じてしまってる気がします。
その意味はわからないのに、文字のだけで、それとは関係のないことまで連想するといったような。
そしてそれは、きっと文字だけじゃなくて、話す言葉とか、肌の色や格好なんかまでもがそうなんだろうな。

文字は文化でありながら、本来は相手に何かを伝える道具でもある。
その言葉が本当は何を表しているのか。
それを見た目から感じる漠然とした印象じゃなくて、きちんと中身まできちんと見なきゃね。

ウチヤマ ケンイチ
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