明確な基準のない仕事。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

先日、初めて業者さんに自宅のお風呂とトイレの掃除をお願いした時の話。

実は残念なことに、十分に汚れが落ちていなかったんです。
掃除をしてくれた人はとても丁寧にやってくれたんですが、僕は仕上がりに不満があって、今度やり直しをしてもらうことになりました。

「汚れを落とす」とか「ピカピカにします」とか、そんな表現には明確な答えがない。
だから今回、どのようにやり直しを依頼しようかと迷いました。

正直、かなり汚れが残っていたんです。
ひとまずは残った汚れがこすれば簡単に落ちることを確認し、それを伝えました。

こういう明確な答えがない仕事。
それはサービスを提供する側も、そしてお客さん側もどこまで求めてよいかの定義がむつかしい。

デザインもまさにそれで、「良いデザイン」の定義は必ずしも一致するものじゃない。
だから、サービスを提供する側が強ければ「これが良いデザインです」と納得がいかないままにデザインを納品することになる。
そして、お客さんが強ければ納得がいくまで、過剰なほどにやり直しをすることになる。
そこで多くのケースでは過去の事例など、参考例を出すことになるわけです。

でもデザインというのはその時その時の状況によって変わるもの。だから、他の事例はあまり参考にならないと思ってます。
そこでデザイナーである僕がどういうふうにモノを考える人であるかを知ってもらうことで、「提供できるデザイン」の目安にしてもらおうかなと。
それで毎日ブログを書いてるんです。

今回も「とりあえず不満です」では、正しい状況が伝わりづらい。
素人の僕でもすぐに落ちる汚れが、各面に残ってましたと伝え、無事やり直してもらえることになりました。

実は、残った汚れの写真も添えたんです。
やり過ぎかなとも思ったのですが、それくらいに基準のない仕事というのは程度がむつかしい。
そう日頃から思っています。

ウチヤマ ケンイチ