粋な大人になりたい。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

誰かの行動や言動を非難する、ネット上の光景。
最近では熊本の被災地に行ったアナウンサーが、お弁当の写真をツイートをしたことで一斉攻撃されてました。

なんだかなぁ。
世の中は複雑だから、ある一面だけで切り取って話すのはすごく簡単なのに。
だから、みんなバランスの中で頭を使って、行動してるのに。

ある断片だけを切り取って、それらしい正義を振りかざしてしまう。それがなんとも怖い。

なんだろう。小学生の時、なんでもかんでも先生に告げ口してた子を思い出すんです。
みんなの前で、わざわざ全員に聞こえる大きな声で、「○○くんがルールを破ってました」って。

ルールの上では、悪いものは悪いということなんだろうけど。
でも、同時に本人に直接言えばいいじゃんとか、自分の正義をばらまく必要はないじゃんとか、そうも思う。

非難したことが正論であればあるほど残酷。
大きな声でみんなに向かって言われてしまった時点で、もう言われた方は反論の余地が奪われてしまうから。
正論は反論しづらくて、そして誰も擁護ができないうちに、非難がまるで全体の総意のようになってしまうこともある。

本人にこっそり伝えてあげたり、前後の事情も汲んで見逃してあげたり。
それくらいしてあげてもいいでしょうと。だってあなたは間違いに気付ける偉い正義なんだから。

仕事でもそうだけれど、一方向から問題を見つけるのは比較的かんたんで、見つけるだけじゃなく解決策もセットになるとちょっとむつかしい。
そして、多方向から眺めて、実は複雑に絡み合ってる多くの問題の中にあるってことに気付くと、問題は途端にむつかしくなる。

ある角度からの正義の前では、その他の正義にはどうなろうとおかまいなし、ってところが怖い。
問題を発見してただ皆に伝えるだけなら、防犯ブザーと変わらない。

そういえば今日で35歳。
なんだろう。粋な大人になりたい。

ウチヤマ ケンイチ