相手の「言っていること」が全て本当だとは限らない。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

人の心に触れること。
それには、いろんな方法がある。

言葉、表情、振る舞い、しぐさ。
そして表にはあらわれない気持ちを、直接に心に問いかけたり、相手の性格から想像してみたり。

人は複雑な動物。いろんなことを考えながら振舞っている。
だから、相手の「言っていること」が全て本当だとは限らなくて、それは善意の場合もある。

でも、ビジネスの世界はどちらかといえば「言葉」の比重が大きい。
相手がにこやかだろうが、無表情だろうが、契約の条件さえ合意できれば、話自体は通せる。
もし、どこか信用できなところがあったとしても。

それは話が違ったとき、ビジネスなら契約を盾にして金銭面や他の面でフォローができるから。
目的の置き方次第では相手との関係なんて大した話ではなくて、極端な話、書面上やその場で話された言葉だけで判断ができる。
もちろんビジネスの世界にも、言葉以外の部分に触れる場面はあるんだけれど。

ただ、これが損得を抜きにした人との関係になると、そうはいかない。
友だち同士に、恋人同士、そして家族となれば、相手との関係をお金に換算できないから、ビジネスみたいに約束事だけで話を進めるわけにはいかなくなる。

相手の本当の気持ちをくむ。いま相手が言ってることは気遣いゆえの、本心とは違うことなんじゃないかと問いかける。
それこそが、本当の人との関係だ。

自分を振り返ると、僕は言葉を重視しすぎてた。
言葉だけで会話をすることは、相手の本心を知ることを放棄してるともいえる。

相手が大丈夫といえばそれを大丈夫だと処理して、「本当は大丈夫じゃない大丈夫」を見なかったことにしようとしてる。
それは、自分の責任や一緒にリスクをとることから逃げていることなのかも。

相手の言葉にならない部分を感じ取ること。それこそが、人と人との関係なのかもしれない。
そういうことができる人に、本当はなりたい。

ウチヤマ ケンイチ