言葉を増やす。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

言葉があるから物事は定義され、認識される。
認識ができるからこそ、実体が自分の中に存在する。
新しい言葉を覚えたということは、つまりは新しい物事を得たということだと思うんです。

以前、ある民族にしか認識できない色について書いたことがあります。
これって色に限らず、なんでもそうだと思うのです。

最近、文章を書くときに辞書をひくようになりました。
そうすると調べた言葉の周辺で、別の思いもよらない言葉に出会うんです。

最初はその言葉の意味を、理解できてるような、できていないような。そもそも興味があるような、ないような。
それが意識的に興味を持ってみると、徐々に使い方や、意味を理解して、そして少しずつ言葉が自分の中に存在し始める。
それは偶然で非連続な世界の広がりで、そんなことが最近楽しいのです。

ネットを使うようになってから、調べ物をする回数は増えました。
ただ回数は増えたけれど、こんな風に思いがけないことに触れるという機会は減った気がするんです。
それは調べたいことをピンポイントで探して、見つかったらすぐにその場から離れてしまうから。

辞書や辞典は探すのに手間がかかる分、いやでもその周囲の情報が入ってくるんですよね。
効率の面では悪いんでしょうが、新しい何かを得るには結構いいやり方だと思うんです。

言葉が増えれば、世界も増える。毎日、数語ずつの世界の拡大です。

ウチヤマ ケンイチ