ピカピカにつくるよりも大事なこと。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

最近、どんな曲でもライブ会場で聴いてるかのように音を変えてくれるスマートフォンのアプリを使っています。

音質や響き方を加工することで生音っぽくして、さらに観客の歓声やざわつきを加えるという仕組み。
このクオリティがとても高くて、スタジオで撮られたはずの曲なのに不思議なくらいライブの演奏っぽく聞こえるんです。

本来は関係のない歓声を加えているわけだからどこか違和感が出そうなものですが、これがまったくわからない。
考えてみればバラエティ番組なんかで「後から足した笑い」には日頃さんざん触れてるわけで、もはやそんな手を加えられた物の方が僕らにとっては「本物」なのかもしれません。

それにしてもライブ風にアレンジされた曲はなんとも心動かされるものがあります。それが作り物であれ。
それはたぶん、曲を聞いている時に頭に浮かぶ映像というか、感じている空気みたいなものが違うんだと思うんです。

みんなと一緒にライブ会場で曲を聴いている感覚というか、体験になる。
音そのものはイコライザーをかけた上に歓声を足しているわけだからピュアじゃない。けれど、体験としては優れたものになっていると。

物としてピカピカにつくるよりも大事なことがあるんですよね。
自分がデザインをしているとき注力しているポイントがズレていないか。UXデザイナーとして、いま一度確認しないといけないなぁ。

ウチヤマ ケンイチ