意図せず生まれた風景は、美しい。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

写真を毎日撮るにつれて、だんだんと自分が好きな写真というのがわかってきました。

なんだか、人が意図せずに生み出した風景に惹かれることが多いんです。
たとえば、ごみ捨て場に捨てられているごみの山とか、八百屋さんの店先に積み上げられた段ボールとか。あと食事中の食卓なんかもそう。

それらはどれも、元々は別の目的があって生まれた風景。
ごみ山はごみを捨てた結果だし、積み上げられた段ボールは野菜を陳列した後にかさばらないようにした結果。

そんな風景には、美しく見せよう、美しく見られようというよこしまな気持ちがない。
どこも気取ってなくて、ありのままで、でもなんだかそれが逆にとてもかわいく感じるんです。

おかしな例えかもしれませんが、手つかずの自然の風景とか、動植物の形とか、そういうものに似ている気がする。

そんな意図してないデザインというのは日常の中に溢れすぎていて、普段は誰も目をとめないんですよね。
人が目をとめるのは、人が意図的に引き寄せようと思って用意したものだったりする。

身の回りにはたくさん、愛すべき風景が溢れているんだな。
普段、自分が仕事で意図をふんだんに入れたデザインにずっと取り組んでいるから、なおのことそう感じるのかもしれません。
よこしまで、意図がって、それはそれでかわいいんですけどね。

明日は何が撮れるかな。
意図せず生まれた風景は、美しい。

ウチヤマ ケンイチ