令和2年6月17日に考えたこと

効くのなら偽薬のデザインでも良い

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

プラシーボ効果という、本物だと思い込んでいると偽薬でも実際に効いてしまう話があります。

科学的には、偽薬はあくまで偽物。本物の薬こそ正しい。
でもこれが病気を治すという目的に立ち返るなら、偽薬だろうと本物だろうと実はどっちでもよくて、要は効くことこそが大切なわけです。
仮に本物の薬が効かずにプラシーボ効果の偽薬の方が効いたなら、どっちが本物と言えるのか。結局のところ目的次第なんですよね。

似たようなことをデザインをしていて感じることがあります。
世の中には質が高いとは言い難いデザインがたくさんあるわけですが、ただそういうデザインでも十分に機能していることがあるのです。

町内の掲示板、素人が作ったウェブサイト、あとは仕事で見かける資料なんかも。
たしかにデザインとしての質は高くないけれど、十分に機能してる。要は役に立つという観点ではデザインとして成功してるわけです。
つまりは、なんでもかんでも質高くデザインをすればよいわけでもない。効くのなら偽薬のデザインでも良い。

なんでもかんでも完璧にデザインにしたがるデザイナーがいます。
SNS上でデザインに対して、ああでもない、こうでもないと口出ししてるデザイナーもいる。

デザインの授業では正しいことでも、実際に利用されてる現場の目的次第ではそれは必ずしも正しいとも言えないのよね。
まぁ気持ちは分かるんだけれど。

ウチヤマ ケンイチ