令和2年12月17日に考えたこと
一目でそれが優れていると分かってしまう
ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。
先日、いつものように絵画教室でデッサンをしていた時の話。先生が近づいてきて、手元に置いていたスケッチを見るなり褒めてくれたのです。
今描いている石膏像の、簡単なスケッチ。
でも残念ながら、このスケッチは僕が描いたものではありません。他の先生が構造を説明するためにさっと描いてくれたものでした。
数十秒で描いたスケッチなのに一目でそれが優れていると分かってしまう。
どちらの先生もすごいなと思いつつ、本質的に良いものかどうかは最初の数手で既に決まっているということを改めて思い知ったのです。
同じようなことは以前にもありました。オリジナルのフォントをデザインしていた時の話。
プロがデザインした書体を参考にしようと自分の書体と並べて眺めていたんです。すると先生が遠目でちらっと見て、「その書体いいね」と言ったんです。
もちろん、褒められたのはプロがデザインした方。
細かな部分なんか見なくても、ぱっと見で良い書体かどうかが分かる。いや、むしろ一瞬だからこそ違いがはっきりするのかもしれません。
僕の仕事であるウェブやアプリのデザインもきっと同じ。
ああだこうだと説明をすればたしかに理屈は通っているデザインになるかもしれないけれど、結局良いデザインかどうかは一瞬の感覚で分かってしまう。
それを判断するのはプロではなく一般の人たち。感覚で選んでもらえるデザインをつくりたいわ。
ウチヤマ ケンイチ