減点思考と加点思考。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

数字の世界には、”プラスマイナスゼロ”いう状態があります。
マイナスと同じ分だけのプラスがあれば、結局ゼロになるわけです。

それは-1と+1を合わせても、-10,000と+10,000を合わせても、どちらも計算上は全く同じゼロになる。
元々どれだけのプラスやマイナスがあったのかは、計算後は消えてなくなります。

人には良いところも悪いところもあります。
仮に良いところをプラス、悪いところをマイナスとしましょう。
そうすればその人というのは合計すればプラスなのかそれともマイナスなのか、ともするとそんな計算ができそうです。

でも人の良いところや悪いところはやっぱり数字ではないから、プラスマイナスゼロにはなりません。
良いところも、悪いところも、すべてひっくるめてその人の印象や評価は決まるわけです。

「あいつは口は悪いけど、人に優しいやつだ」とか。
「彼は頭はいいけれど、どうも思いやりがない」とか。
「彼女はルーズなところがあるけれど、周囲を明るくしてくれる」とか。

そんな良いところも悪いところもどちらも見る。
そうすると数字だったらひとつの答えが出るのに、人の評価というのは見る人によって変わってきます。

世の中には人の良いところを見る人もいれば、悪いところばかり見る人もいる。
僕は残念ながら後者になりがちで、つい減点方式で人や物事を見てしまうくせがあります。
そんな見方は僕自身も楽しいわけがなく、かねてから変えたいと思っていました。

ふと気付いたのですが、減点方式をとるには何かしら基準が無いとできません。
“こうあるべき”という基準が自分の中にあって、それに達しているかどうかで評価をする。それが減点方式。
一方、加点方式は自分の中に基準はなくて良いところが見つかるたびにプラスにしていく。

加点方式の人も、別に悪いところが見えていないわけではありません。
ただ、”相手がどうあるべきか”を自分の中につくりあげるのか、それとも相手に任せるのかの違いだと思うんです。
そして、どちらが健全であるかは自明なこと。

勝手に自分の中につくりあげた基準を相手に当てはめて減点するという危うさ、傲慢さ。
理想は持っても、基準にはしない。良いとこも悪いとこもきちんと見えるけどポジティブに進める。
そんな人になりたいなぁ。

“人をほめるのはクリエイティブなこと。”

クリエイティブディレクターの箭内道彦さんがこんなこと言ってました。
よし。クリエイティブに生きよう。

ウチヤマケンイチ
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