令和4年3月4日に考えたこと

物事の背景や文脈を踏まえて理解すること

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

デッサンをしていたときはなかなか掴めなかった、ヘルメスという石膏像の形。
それが粘土で真似して形をつくる中で段々と分かってきたのです。

これはデッサンのときも意識していたことなのですが、人の形を描くときには目に見えている表面の形だけを追ってちゃダメなんです。
見えてるものに加えて、その内部にある骨格や筋肉も意識する。そうすると自然な形になるんです。
アーティスト向けの解剖学の本まで出ているくらいで、もしかすると人物画を描く画家の皆さんは医師と同じくらい人の身体について詳しいのかもしれません。

僕の場合、表には見えない骨格や筋肉を意識するということがデッサンよりも粘土の方がやりやすかったのです。
いろんな角度から像を見て、ここに筋が通ってるということは中に太い筋肉がありそうだなとか、この首の角度になるということは骨は湾曲してるんだろうなとか。
ただ観察してるだけだと意識できなかったことも、粘土で作ろうと思うと意識できる。

ちなみに表には見えない骨格や筋肉を意識しながら形を理解するということは、つまりは物事の背景や文脈を踏まえて理解するということだと思うのです。
仕事でもこれができている人は勘所が良く、本質を見抜けるんですよね。

粘土でヘルメスを作り終えたら、もう1回デッサンに戻るつもりです。
たぶん前回とは違う感覚で描けそう。どんな変化があるか楽しみだ。

ウチヤマケンイチ