令和4年12月26日に考えたこと

描く側が意図しなかったおもしろさ

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

ちょっと前から、自分が撮った写真を題材にして抽象画を描いています。
いま題材にしているのは、古い建物の壁の写真。あくまでも写真はベースで、その写真を撮った時にどこにおもしろさを感じたのかを整理しながら抽象画にしています。

今日、先生が僕の描いている絵を見て、「海に見える」と言ったんです。僕自身も壁を壁のまま描いているつもりはなかったのですが、まさか海に見えるとは思いませんでした。
その写真に移っている壁は上下で質感が異なる仕上がりになっているのですが、それを抽象画で描き分けた部分が、たしかに言われてみると空と海のように見えるのです。

今日も引き続きその絵を描いていたのですが、そんな先生の意見を意識しながら描くことになりました。
あえて海に寄せるわけではないのですが、ちょっとこれまでとは違った視点というか、写真から離れて絵そのものを描き進めることができた気がします。

そういえば音楽の世界では、有名な歌詞が実は作詞家の意図は違う意味で広まっているという話を聞いたことがあるし、デザインもそうで、デザイナーが意図していない使い方や解釈をされることがあるのですが、それが思いがけず良いこともあるのです。

絵のような解釈の余地が大いにある表現方法であれば、なおのこと見る人によって違う受け取り方をするのでしょう。
そんな自由な部分がおもしろいなと、改めて思ったのでした。

ウチヤマケンイチ