令和6年5月12日に考えたこと
目立たない部分が全体を支えてた
ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。
ここ最近はずっと油絵具で自画像を描いていましたが、少し飽きたのでひと休み。久しぶりに石膏デッサンをしています。
今日、1つ気づいたことがあるんです。それは石膏像の台座部分や手前のへりをきちんと描くことが実はかなり大事だということ。
人物の石膏像を描いていると、つい顔部分が目に入ってそこばかり描いてしまいます。ですが石膏像のデッサンはあくまでそのモチーフ全体の形や雰囲気を正確に描くことが大事。似顔絵を描いてるわけじゃないですよね。
ということで、以前から顔にばかり気を取られず全体像を意識するようにしていました。
ただ台座部分や手前のへり部分はあまり気にしてこなかったんです。形として面白みがないし、人物自体の形でもない。なので重要だと思っていませんでした。そうなると、描き込みも甘くなります。
ただいつも高めの台に置かれている石膏像は、物理的に自分に一番距離が近いのが台座やへりの部分なんです。
モチーフの立体感や空間を表現するには、この一番近い部分を強く描くことが大事なんですよね。そうすることで、他の部分が奥に引っ込んで絵の中に空間が生まれるわけです。
いくら形として面白みが無くてもそこをしっかり描くことで、本来描きたかった部分が引き立つとは。一見目立たない部分が実は全体の構成を決めるのに必要だったなんて、なんだか世の中の真理みたいなものを感じたのでした。
ウチヤマケンイチ