ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

昨日は24時間テレビでしたね。

24時間テレビと言えば今年もチャリティーマラソンが盛り上がってました。
毎年、色んな人が24時間かけて「すごく長い距離」を走ります。

今年のランナーはTOKIOのリーダーの城島さんでした。
43歳という年齢で101kmという距離。すごいですねぇ。

ただ、この101kmという距離。
もちろんすごいのは分かるんですが、それがどれだけすごいのかというのが、僕には実感を持って分からなかったのです。

このチャリティーマラソン。
24時間かけて「すごく長い距離」を走るというのは毎年変わらないわけですが、実は毎年、距離は結構違うんですよね。
今までで一番長かったのは200km、最短は63.2kmだったそうです。
比べると距離にして３倍以上。随分との大きな差ですが、63.2kmという距離だってそれだけで見ればすごいなと。

では、僕が24時間マラソンでどれくらい走れるかと聞かれたら？

僕は即答が出来ません。
それは僕自身24時間走り続けたこともないし、ハーフマラソンすら走ったことがないからです。

63.2kmも、200kmもとにかくすごいことなのはわかる。
だけれど、それぞれがどれくらい大変なのかが「24時間」や「大きな距離」のままでは想像ができないのです。

人ってたぶん、自分が経験したことじゃないと、適切な判断はできないんだと思います。
だから、何か大きなスケールのことを判断するときには、それを判断できるレベルまで分解する必要があると思うのです。
「想像がつかない、大きなスケール」のものを「想像がつく、自分が経験したことがあるレベル」まで。

今回の24時間マラソンで言えば、こんな感じです。

まず走る速さ。
101kmを24時間で走るので、時速に直すと時速4.2kmです。
これはちょうど大人が少しはやめに歩くくらいの速さなので、もしかしたら24時間歩くことはできるかもしれません。

仮に360kmはどうでしょう。

大人の走る速さはおよそ時速15kmとのこと。
となると360kmという距離であれば、休むことなく24時間常に走り続けるということ。
なので、これはさすがに無理だとわかる。

101kmも360kmもどちらも「すごく長い距離」ですが、101kmなら挑戦する価値はあるかもしれません。

そして、走る速さに加えて「24時間」という時間。
これは徹夜をしたことがある人ならわかると思います。
小休止を挟むとは言え、ずっと起き続けているだけでも大変だとわかるでしょう。

そうやって、走る速さとか、とれる休憩の時間とか、そういうものを自分が経験したレベルに分解していく。
すると、101kmを24時間で走れと言われたときはイメージできなかった部分が、自分の経験という物指しの上で見ることができる。

63.2kmと、101kmと、200kmと、360km。
どの距離も僕にとっては、「すごく長い距離」です。
だけれど時速に直すことで、360kmは絶対に無理で他の距離はもう少し詳しく計算して検討しても良いかなと考えを進められる。
こうやって分解してみないと、360kmでも同じように「大変だ！でもとにかく頑張ってみよう！」となってしまう。

なんだか、今日は随分とあたりまえすぎることを書いてしまいました。
でも、でもこんな感じで大きなスケールの物事の判断を誤ることって、そこらじゅうにある落とし穴。

長期的な仕事の計画とか、大規模プロジェクトの推進。
個人の人生の計画もそうだし、子どもも含めた家族計画とかも。

「いつかは○○したい」

そんな世間では夢と呼ばえるような人生の大きな目標って、残念ながらたいていは叶いません。
きっとそれは１年後とか、10年後という遠い未来におくだけで、なんだかいつか頑張りさえすればできるように感じてしまうから。

ちゃんとその大きな物事を半年、一ヶ月、そして今日やることに分解してみる。
かなしいことに、もしかしたら実はもう既に不可能なことに取り組んでいるのかもしれません。
でも前向きであることと、向こう見ずなことは違いますからね。

人生ってペース配分が大切だと思います。
そういえば昨年、僕が勤めているリクルートのCMでが注目を浴びました。
「人生はマラソンなんかじゃない」ってやつ。

あのCMは僕も好きなのですが、あれは正しい部分も、違うかなと思う部分もある。
何か計画がある人は、本当に今日それに着手しなくても大丈夫なのかを早急に知る必要があると思います。

もしかすると今日、さぼってしまったことで数年後に全速力で走っても間に合わなくなるかもしれない。
数年後の勝負が、実は今夜決まってしまうのかもしれないからです。

ひとまず、僕も前にたてた生涯計画があるので今一度読み返そうと思います。
そしてちゃんとしたペースで進んでいるかを確認します。
人生は、24時間とか101kmのマラソンどころじゃないもっと大きなスケールですからね。

人生は、きっとそれなりにマラソンだ。

ウチヤマケンイチ
－－－
いつも読んで頂きまして、ありがとうございます。
ご意見、ご感想をコチラからいただけるとうれしいです。