クリエイターに必要なこと。

ニッカオフィスのウチヤマです。

今日は「クリエイターに必要なこと」について。

僕は大学、大学院の頃は建築学を専攻していましたが、卒業後は建築業界には進まずに株式会社リクルートに入社しメディアをつくる選択をしました。
現在も株式会社リクルートではウェブディレクター、ニッカオフィスではクリエイティブディレクターとして活動しています。

建築学で大学院にまで行ったのに、なぜそのまま建築の道には進まなかったのか。
単純に建築家としてやっていくほど建築の才能がなかったというのもありますが、他にもいろんな理由がありました。
そのことについては後日改めて書きたいと思います。

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さて、建築の世界からメディアの世界に移ることでデザインする対象が変わったわけですが、それによってなにが変わったのか。
実は建築の設計とメディアを検討するプロセスはよく似ています。特にウェブサイトの設計はとても良く似ているのです。
なので、「大してやってることは変わっていない」というのが正直なところ。

実際、僕の周りのウェブ屋さんにも結構元々は建築屋さんがだったという人が多いんですよね。

ちなみに僕の肩書きをもっと詳しく言うとウェブディレクターの中でも「インフォメーション・アーキテクト / Information Architect」という職種になります。
つまり「情報の建築屋さん」ということです。
名称に「Architect=建築家」という言葉が入っているあたり、やっぱり近しい職業なんでしょうね。

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建築をデザインするにしてもメディアをデザインにしても、

「ユーザーは何を求めているのか」
「ユーザーにどんな体験をさせたいのか」
「それをつくるにはどれだけの人と時間がかかるのか」
「自分はどのよう技術が使えるのか」

のようにデザインするにあたっての「やりたいこと」と「制約」を考え続けるわけです。
「建築物」や「ウェブサイト」それ自体をデザインするのはほんの一部で、そのほとんどの時間は先に書いたようなことをやっているわけです。
少なくとも僕はそうです。

もちろんウェブではエンジニアに依頼するけど、建築では大工さんに依頼するなどの違いはあります。
でもその本質的な役割はかなり近いと思います。

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デザインとは少し異なりますが、僕は日本経済新聞の「インタビュー 領空侵犯」というコーナーが好きで学生の頃に愛読していました。
このコーナーはある分野の専門家が他の分野についての見方を述べるもの。

他にも「ニューデザインパラダイス」と言うテレビ番組も好きでした。
こっちは、色々なものをデザイナーに限らない様々な専門家がデザインを再考すると言うものです。

クリエイティブの本質、もっとも大事な部分というのはジャンルを問わないポータブルで普遍的なものだと僕は信じています。
クリエイターに必要なのはなにをつくるにしても「なぜそのクリエイティブが必要とされるのか」を考え抜くことと、「どうすればそれを実現できるか」を考えて制約と闘い続けることだと思っています。

欲張るつもりはないのですが、どんなものであっても的を得たデザインできるクリエイターになりたい。
そうなれるように、日々クリエイティブに向き合ってます。

ウチヤマケンイチ