事実はひとつでも解釈はひとつだけじゃない。

ニッカオフィスのウチヤマです。

今日は「事実はひとつでも解釈はひとつじゃない」ことについて。

本日、とある研修を受けてきました。
そこで出会ったお話がとても印象深かったのでここで紹介させて頂きます。

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ある出来事で自分がとても幸せであること再認識した女性のお話です。

仕事で名古屋に行かなければならなかったある企業の女性。
彼女が東京駅で財布を忘れていることに気がつくところから話はスタートします。
この女性は考えた末に、道行く人に思いきってお金を借りる決心しました。

そこへちょうどひとりの女性が通りかかります。この女性が後に自身の幸せを認識する女性です。
財布を忘れた女性は自分の名刺を渡した上で、その通りかかった女性にいきなりお金を貸してくれないかと相談しました。

相談を受けたこの女性は、その困っている状況を見て、財布から2万円を出し手渡したそうです。
名刺は受け取ったものの当然見知らぬ者同士。貸したお金がちゃんと返ってくる保証はありません。

そしてお金を貸した女性は職場で、その出来事を同僚に話したそうです。
すると、同僚たちからは、

「だからあなたはダメなんだ。」
「きっと返ってこないよ。」
「他人の名刺に決まってる。」

という否定的な反応。その女性はとても落ち込んでしまったそうです。

でもわかります。
おそらく僕も、見知らぬ人にいきなりお金を貸すことはないでしょう。
そしてそんな話を聞いたら、その同僚らと同じように「なんてお人好しな人なんだろう。」と否定的な解釈をすると思います。

ただ、この女性が同じ話を自分の旦那さんにしたところその反応は大きく異なりました。

「僕は君を選んで間違っていなかった。目の前で困った人がいたから助けてあげたんだね。」

と言ったそうです。その女性は本当にうれしかったそうです。
旦那さんは、その助成の「行動」だけではなくてその中に女性の「想い」も同時に見ていたんですよね。

その困っている人を助けてあげたいという優しい「想い」が見えていたからこそ、肯定的な解釈になったのだと想います。
そして同じ話を親御さんにも話したところ、その親御さんも「育て方が間違っていなかった。そのような行動をしてくれて嬉しい。」と認めてくれたそうです。

その女性はこの出来事をきっかけに旦那さんや親御さんが自分のことをどう思ってくれているかを知り、とても幸せな気持ちになったそうです。

すごいですよね。

事実は一つで同じ女性の同じ行動なのに、こうやって相手の解釈や評価は全く異なるんですから。
同僚たちは、その女性の「行動」だけを評価したから、一見合理的でないその行動を否定的に捉えていた。
僕は別にこの同僚たちの反応がおかしいとは思いません。

ただこうやって自身の行動を肯定的に捉えてくれる人が身近にいるというのはすごくすごく幸せなことだなぁ、と。

ちなみにこの話、結果としてはちゃんとお金は返ってきたようです。
でも、もし返ってこなかったとしても、この旦那さんや親御さんはこの女性の「目の前の人を助けてあげたいという想い」を認めることに変わりはないでしょう。
それはその行動だけを見ていたら、わからないし、気づかないことです。

こういったことは夫婦や親子のような深くて強いつながりがないとなかなか難しいのかもしれません。
でもこういったポジティブな解釈もありうる、ということだけでも心に留めておきたいです。

そして他者にだけではなくて、日々頑張っている自分に対してもこうやって認めてあげませんか。
それって素晴らしいじゃないですか。

ウチヤマケンイチ