まだ見ぬインターフェース。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

Apple Watchを使い始めて、ちょうど3週間が経ちました。

それにしてもApple Watchの操作方法はむつかしい。
3週間経ってようやくそれなりに操作できるようになった。そんな感触です。

iPhoneの時も、Macの時も、実はデバイスを触れば自然と使い方がわかったものでした。
それに比べて、今回のApple Watchは触ってみただけでは、どのように操作すればよいのか分からない時がある。
たまらず僕はAppleが用意した操作ガイドの動画まで見てしまいました。

動画や説明書がなくても使うことができた今までのApple製品。
ではそれらに比べて、Apple Watchのインターフェースは劣っているのか。
これ、一概にはそうとは言い切れないと思ってます。

スマートフォンの画面って、以前は現実の世界を模倣していました。
画面の中の押せるボタンは現実のボタンのような出っ張った形をしている。
そして、時計やコンパスといったアプリも現実の世界をそのまま取り入れてた。
要は写実的なデザインだったんですよね。もちろんiPhoneも。

現実世界のモチーフを画面の中に表せば、それは「押せる」と分かる。
それは、現実の世界で学習した経験をそのまま利用してるから。

他にもデバイスの大きさ。
スマートフォンやパソコンと言うのはそれなりの大きさがある。
となるとリモコンにしても、電卓にしても、そんな昔から慣れ親しんだ物を通じて「同じような大きさの機械を操作した」という経験が僕らにはあった。

一方で、Apple Watchはずっと小さなデバイスです。
このような小さなスペースで何かを操作をするという経験自体が、これまでの僕らにはほとんどなかったんですよね。
つまりは、どうしてもまだ見ぬインターフェースにならざるを得ない部分がある。

ちなみに、今では多くの人たちがスマートフォンという物の操作に慣れました。
それによって現実の世界を画面の中で模倣しなくても、純粋なスマートフォンの操作として操作ができるようになった。

最近よく採用されている簡素なデザイン形式のフラットデザイン。
あれなんかは、要は文字や幾何学模様を中心とした抽象的な情報だけで構成されている。
そんな簡素なインターフェースでも、十分に操作が可能に「私たちがなった」というわけです。
変わったのは機械の方ではなくて、実は「私たち」の方。

赤ちゃんがこの世界の仕組みを学びながら、少しずつ道具の使い方を学ぶこと。
それと同じように、我々も新しいデバイスの操作については触れる中で学んでいくのだと思います。
だから最初に操作が分かりづらいのというのは、自然なことだなと。

使いやすさって、慣れ、そして誰にも変えられない科学的な原理原則の組み合わせで産まれるものだと、僕は考えています。
まだ世の中がApple Watchの操作に慣れていない今。

だからこそ、それをデザインすると言うのは特別な意味があると思うんです。
そのむつかしさは、iPhoneの画面をデザインすることのむつかしさとは意味合いがまったく違う。

見たこともないデバイスなのになぜだか操作できてしまうような魔法のようなデザイン。
そんなデザインに挑戦してみたいなと、UIデザイナーとしてふと思うのでした。

Apple Watchのアプリのデザイン、さっそくやってみようと思います。

ウチヤマケンイチ
---
いつも読んで頂きまして、ありがとうございます。
ご意見、ご感想をコチラからいただけるとうれしいです。