こだわりの店。

ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。

江ノ島のお店、どんなお店にしようか考えてます。

せっかくなら良いお店にしたい。
用意するお酒も、食事も、内装も、全部ちゃんと選んだ素敵な店にしたいと思うのです。
でもそんな風にこだわるというのは、とてもむつかしい。

最近のらーめん屋さんはどこもこだわってます。
僕が子どもの頃、らーめんといえばどこも醤油味に細麺でした。
いわゆる中華そばを出す店がほとんど。

その上にネギを乗せるか、チャーシューを乗せるか、はたまたワンタンを乗せるか。
それくらいの選択肢はありましたが、そのトッピングもだいたい同じでした。
あとは、たまに味噌らーめんと塩らーめんを選べる店があったくらい。

最近のらーめん屋さんはだいぶ変わりましたね。
麺も、スープも、具材もさまざまで、昔のスタンダードな中華そばを出す店はほとんどなくなりました。
でもそれだけ個性やこだわりを出しても、結局なんだか最近のお店はお店でみんな似てる。

こだわりってなんなんでしょう。
周りの目や流行なんかは気にせずに、人とは違うことをすることなのかなぁ。
それとも流行りを追いつつ、そこに個性を出すことなのか。

最近のらーめん屋のイメージ。
木の看板に、豪快に毛筆で書かれた店の名前。
引き戸を開けて中に入ると券売機があって、店員は黒いTシャツ。
店内にも店員さんの背中にも毛筆でこだわりのメッセージが書いてあったりする。
相田みつを風のやつ。

そんなところが多い気がします。

店の面構え、メニュー、こだわりポイント。
全体的にこだわりっているよう見えるんだけれど、どれも流行りを追ってるだけにも見える。
たいていのお店はそこそこに美味しくて、別に美味しいから良いのですが、ただなんだかおもしろくないんですよね。

らーめんに限らずウェブサービスやアプリもそうですね。
とにかく、似たようなサービスが多い。
最近、大ヒットした怪獣系ゲームアプリなんて、もうどこがつくったものだかわからないくらい個性がない。
別に個性がなくたって大ヒットするわけですから、それはそれで正しいんだと思います。

客としては別にそれで良いかなと思う一方で、デザイナーとしてはついそこに魂を込めたくなっちゃう。
らーめんにしてもアプリにしても、せっかくなにかを新しく生み出すわけですから。

他の店とは違うこだわりを出せばいいっってわけでもなく、ありきたりだって良い店はある。
これだけ世の中にはたくさんのお店があるから、上っ面だけで差別化しようとしてもむつかしいし、差別化を目的にするのも本末転倒。
結局は、ちゃんと真剣に、心から考え抜けば自然とこだわりや個性は出てくるのかもしれません。
考える人の感性や頭は皆別なわけですから。

本当にこだわっているのは、いまも昔ながらの中華そばを出してる店主の方なのかもしれません。
中華そばを本当に心から愛していて。

ひとまず人のことは気にせずに、どんな場所にしたいかを一生懸命考えたいと思います。
結局それが、流行りにのってしまうことになるのか、はたまたぜんぜん違う感じになるのか。
それはやってみないと分かりません。

いやー、むつかしい。むつかしい。

ウチヤマケンイチ
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