令和3年7月16日に考えたこと
何度も見ているうちに異様さに慣れてしまいました
ニッカオフィスのウチヤマケンイチです。
山を切り拓いて作られたメガソーラーについては、災害を引き起こしかねないという非難の他に、その見た目の悪さを指摘する声もネット上でよく見かけます。
たしかに僕も山々の中に突然黒い幾何学の形をしたパネルが並んでいる景色を見て、最初はなんとも異様で嫌な風景だなと思いました。
ただ不思議なもので、何度も見ているうちにその異様さにも慣れてしまいました。
森林を切り拓くことの是非や、災害を引き起こす可能性についてはきちんと議論すべきですが、見た目に対する違和感や嫌悪感というのは、ある程度慣れであったり、その対象についての先入観による色眼鏡の部分が大きいような気がします。
アスファルトで固められた道路やコンクリートやガラスでできたビルに違和感を感じる人は少ない。むしろ都会的な美しさすら感じる場合もあるわけです。
でもそれは当たり前の風景として皆が認知しているから、というのがあると思うんです。
舗装された道やビルが建つ場所だって元々は緑があったはずで、時代が時代なら異様な光景に映ると思うんですよね。
でももはや都市の風景を見て自然破壊だと感じる人なんて、現代人の中にはほとんどいない。
だからといってメガソーラーも慣れれば良いという話では無く、人が持つ感情や受ける印象というのは結構曖昧でいい加減だという話。
デザイナーとして、人間の不安定さを知っておきたいのです。
ウチヤマケンイチ